
子どもの成長に欠かせない「敏感期」とは?
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子どもの成長に欠かせない「敏感期」とは?
「なぜ同じことばかり繰り返すの?」「なぜこんなにこだわるの?」――子育てをしていると、そう感じる瞬間がありませんか?
モンテッソーリ教育では、その答えを「敏感期」と呼びます。
敏感期とは、子どもがある特定の能力や感覚に対して強い興味を示し、繰り返し取り組むことで自然と学び取ろうとする、限られた特別な時期です。
この時期の子どもは、大人が教えなくても、自分で必要な課題を見つけ出し、集中して取り組む力を持っています。
モンテッソーリはこう語ります。
「親や教師が、子どもの敏感期を見落とすことは、終バスに乗り遅れるようなものだ」
「0歳から6歳の期間には、その後の長い人生を生き抜いていくのに必要な80%の力が備わる、人生で一番大切な時期である」
0〜6歳はまさに「人生の土台を築く黄金期」。
特に0〜3歳は「無意識の吸収期」と呼ばれ、目や耳から入る情報をカメラのように大量に取り込みます。
そして3歳を過ぎると「意識的吸収期」に入り、ため込んだ膨大な情報を「はっきり、くっきり、すっきり理解したい!」という強い衝動が生まれます。
この内側からの衝動こそが、敏感期の原動力です。
親や周りの大人が、この時期のサインに気づき、適切な環境を整えてあげることで、子どもの可能性は大きく開花します。
5つの代表的な敏感期
1. 運動の敏感期
ハイハイ、歩く、走る、階段の上り下り、ジャンプ、さらには手先を使った細かい作業。
この時期の子どもは、とにかく体を動かさずにはいられません。何度も同じ動作を繰り返すのは、体の動きを無意識に鍛え、バランス感覚や協調性を身につけるためです。
家庭でできること
・公園での自由な運動や遊び
・手先を使うおもちゃ(積み木、ひも通し、お絵かき)
・当店おすすめ:〔大きめ積み木セット〕、〔ひも通し玩具〕
2. 秩序の敏感期
「おもちゃはここ」「この順番じゃなきゃイヤ」――物の場所や日課が変わると泣いてしまうのは、この時期の特徴。
これは単なるわがままではなく、世界を安心して理解するための大切な行動です。秩序が守られることで、子どもは安心して探索や学びを深められます。
家庭でできること
・お片付けの場所を決め、一緒に習慣化
・毎日のルーティンを整えてあげる
・当店おすすめ:〔お片付けトレイ〕、〔モンテッソーリ棚〕
3. 感覚の敏感期
モンテッソーリが「知性の境界線」と呼ぶ3歳を過ぎると、0〜3歳でため込んだ情報を整理し、五感を通して世界をはっきり理解したい!という衝動が高まります。
視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚を磨くことは、豊かな感性だけでなく、直観力や判断力の基礎となります。
家庭でできること
・自然素材のおもちゃで遊ぶ
・料理や自然散策で匂いや味を体験
・当店おすすめ:〔色合わせ教具〕、〔触覚カード〕
4. 言語の敏感期
お腹の中でママの声を聞く時から始まる敏感期。
0〜3歳では無意識に言葉を吸収し、3歳頃には「言語の爆発期」を迎え、ため込んだ言葉があふれ出します。
「これなあに?」の質問攻めも、世界を理解し、自分の言葉で表現したいという自然な欲求です。
家庭でできること
・毎日の絵本読み聞かせ
・会話の中で豊かな語彙を提供
・当店おすすめ:〔ひらがなパズル〕、〔絵カードセット〕
5. 数の敏感期
4歳後半〜6歳頃になると、数や量、順序への強い興味が芽生えます。
「数を数えたい」「計算したい」という自発的な欲求が生まれ、数の世界への扉が開かれます。
家庭でできること
・ビーズやサイコロを使った遊び
・買い物ごっこや料理で数を取り入れる
・当店おすすめ:〔モンテッソーリ数ビーズ〕、〔数カード〕
年齢ごとに強く現れる敏感期
・0〜3歳:運動の敏感期・秩序の敏感期・言語の基礎
・3〜6歳:感覚の敏感期・言語の発展・数の敏感期
0〜3歳は無意識に吸収し、3〜6歳で意識的に整理・理解していく。この流れを大人が意識してサポートすることで、子どもの学びは一気に広がります。
敏感期は「今しかない黄金の時期」
敏感期は、子どもにとって神様からの宿題のようなもの。
「今、あなたは触覚を磨く時期だから、たくさん触ってごらん」
「今、あなたは言葉を覚える時期だから、たくさん話してごらん」
そんなメッセージを受け取っているのです。
6歳を過ぎると、この強いこだわりはほとんど消えてしまいます。一度きりのチャンスを見逃さず、子どもが「やりたい!」と思う課題に取り組める環境を整えてあげましょう。